おばけのアッチに挑戦状が来た!「あるかないかわからないごちそうを用意せよ」と、謎の人物からのおどろおどろしい手紙だ。
みんなの手前、アッチは「できる」と言い切ってしまったが、さて困った。どうしていいかわからず思わず姿を消したところ…
お化けが主人公のお話ならではの、ミステリアスな展開、とんちの効いた解決が楽しい一冊。
お化けが主人公で、謎の人物もとうとうその正体がわからずじまい。こんなにわからない要素が多いけど、読んでいて全然気にならない。終わった後に「なーんだ」と一安心して、気分良く本を閉じられる見事な展開。小さい子ども〜年齢問わずに愉快な気分になれる話です。
大人は、アッチのみえっぱいぶりや、ピンチに立たされた時にとる行動などを見て、自分ではどうするとか思ったり、いろいろ余計な想像をして楽しむが、子どもたとは、素直にそのままお話を楽しむのだと思う。私は大人になって久しいので、ひねくれた見方でも楽しめるけど、素直に面白い話だとも思えた。もと子どもの経験が生きた。
昔読んだことのある、あるビジネス書で「できない依頼が来ても、出来るといって、その後に死ぬほど困ってどうにか解決していく」という方法でチャンスをつかんでいった仕事人の話があった。大袈裟かもしれないけど、そんな話を思い出した。人生、「できない事」に直面することがわりとしょっちゅうあるけど、とりあえずできると言ってしまってから困るという「解決法」(?)もあるのだ、と妙に励まされた一冊でした。
サクセスストーリーなので、落ち込んでいる人もちょっと元気になるかも?タイトルからしてとんち、なぞかけみたいで、魅力的な一冊ですよ。