このシリーズは、大人が読んでも充分、面白い。おススメのユーモア詩集です。
タイトルはお父さんだけど、お母さんの詩もあります。こどもの詩もあります。
一発目の「おとうさん」(谷川俊太郎)が、まず強烈。これは絵も強烈です。
「詩」に対する、高尚なイメージや、近づきがたい雰囲気、文学的で芸術的なハードルが一気になくなります。ものすごい破壊力。
「詩」って、実はとっても庶民的で、楽しくて、面白い、気さくで付き合いやすいヤツだったのだな!と、こちらも武装解除。
気安く馴れ馴れしく「詩」と付き合う準備ができます。
個人的に一番好きなのが、「こども人生相談」(木坂涼)。
オヤジギャグを外して、気まずくなったオヤジの哀愁と、子どもの純な心が同時に堪能できる稀有な作品です。本当に、NHKラジオの夏の子ども相談に投稿されていそうな、深刻な内容です(笑)。ぜひ、皆さんも、この詩を読んで、この子がどうしたらよいのか、考えてあげてくださいね。
お母さんも負けてはいません。
お父さんの武器はオヤジギャグをはじめとするオヤジ臭ですが、おかあさんの武器は知ったかぶりと、超・マイペース攻撃。昭和のパンチパーマお母さんも登場して、懐かしさと加齢臭が漂います。
そんな家庭なので、こどもも素晴らしい哲学者となります。
「子どもの日おとなの日」(新沢としひこ)では、洞察力の確かさに舌を巻き、彼が発見した事実について考えさせられました。おそらく、誰も気が付かなかった発見でしょう。将来が楽しみです。詳しくは、是非とも、本文をご覧ください。