2008年に出版された「世界の国」シリーズ、ベトナム編。亜熱帯〜熱帯にまたがる細長い国の空気が感じられる美しい写真で、ベトナムの地形、自然、長い歴史、人々の暮らし、政治と経済が大まかに紹介される。
10年以上経っているので、編集された時と現在(2019年)では、状況も変わってしまっただろうけど、歴史や地理などは大変学ぶことが多い。70年代のベトナム戦争、フランスの植民地支配、ホー・チ・ミン氏など、今まで単語を知っているというレベルだった物事や人物が、より具体的に理解できた。圧巻なのは、ベトナム戦争の時に墜落したアメリカ軍の爆撃機が、そのまま川の中に半分沈んでいる状況の写真。生々しい戦争の記憶がのこり、未だに様々な戦争関係の悪影響が残る現実を思い知らされる。
厳しい時代を行きぬいたベトナム人の忍耐強さや、美しい文化や風習に見られるすばらしい感性を堪能でき、なかなか感動しました。
小さい子には難しい内容だが、大人や、ベトナムにご縁のある人は是非読んで頂きたい。それぞれの項目が簡潔にまとめられ、地図や図表でわかりやすくまとまっています。
思いのほかよかったので、同シリーズの他の国の本も読みたくなった。