身近な「鉛筆」の材料1つ1つを通して、それに関わる人たちの人生と、自分の人生がつながっていることがわかる絵本。
1985年刊行。
子どもの頃にも、読んだ記憶があった。
鉛筆の材料である「黒煙」「樹木」を採取する人、加工する人、運ぶ人、加工して鉛筆に組み立てる人、鉛筆を売る人。
それぞれの工程に関わる人の人生や家族、暮らしや仕事ぶりを写真で紹介している。
私たちが子どもの頃に、一番身近に使った道具の1つであり、大人になるとあまり使わなくなったものだが、実に多くの人が関わっていた。材料も、バトンを渡して繋いでいくリレーのように、外国から日本にやってきて、工場で加工されて、お店で売られて、私のもとにやって来る。実は奇跡の出会い。
こういうことを知ると、モノを大切にしようと思う。
物ばかりではなく、人も大切にしなければならないし、自分自身も大切に、地球も大切にしなければ。
粗末に扱ってよいものなど1つもないのだとわかる。
80年代にできた本だが、今見ても、とても考えさせられる。素晴らしい作品だと思う。