牧師だったウィルバートが、自分の息子に創って聞かせた機関車童話。こどもたちの無垢な姿を、大好きだった機関車に生き写して喜んでもらおうとしたお話だとか。TVという先行された状況が邪魔をして、なかなか真意をくむことができませんでした。
TVの原作のそのまた原本、三だいの機関車たちが主人公です。それぞれの性格に違いはあるけれど、その個性を思う存分生かしながら、なかよく社会に貢献していくよろこびを、こどもたちよ、よく学べよと述べられているのでしょう。
1945年よりもっと昔の、原作者とイラストレータのレジナルドの思いが、イギリスののどかな空気といっしょに、主人公の機関車たち、駅舎や機関庫、電信柱に信号、トンネルや町並み、田園風景に描き込まれていると考えると、こころがキュンとなります。
大人の差別的なものの見方:ちびだからどうの、格好の善し悪しがどうの、それが当然の世間であると、それをこどもに知らしめることは大人として、とても恥ずかしいことです。しかしウィルバートは包み隠さず、正直に記していますね。辛いですが勇気を見習いたいなあ。感謝です。