ピカピカするもの、キラキラするもの、ふわふわするもの・・・。
子どもの頃に心をときめかせてくれたものは沢山ありますが、
「ふうせん」は、間違いなくそのうちのひとつです。
父が仕事から帰ってくる前に、母親と一緒に沢山の風船を膨らませて
家の中を風船だらけにして、父を驚かせたことがあったなあ・・・と、思い出しました。
と同時に、
朝起きるたびに、しぼんでしまった風船を発見する時の ちょっと切ない気持ちも・・・。
大人にとってはなんてことない風船も、
子どもにとっては二つとない宝物なんですよね。
「形あるものはいつか無くなる」
は、祖母から母、そして私たちに伝えられてきた言葉です。
だから、お気に入りのカップを割ってしまった時も
上手に描けた絵を間違って捨ててしまった時も、
その言葉を自分に言い聞かせてきました。
ブルンミもきっと、とても悲しかったと思うけれど・・・
どんな時でも、友だちを思いやる気持ちがあるって、
一番素敵で、一番大切なことですね。
「ななつの風船って、なんだか虹みたい」と思いながら読んでいたので
少なくなってゆく風船に、私も何だかしょんぼりしていましたが、
結末を読んで、ブルンミと一緒に嬉しい気持ちになれました。
とても爽やかで、夏のはじまりのような絵本です。