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宮沢賢治の絵本 銀河鉄道の夜」 その他の方の声

宮沢賢治の絵本 銀河鉄道の夜 作:宮沢 賢治
絵:金井 一郎
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\2,530
発行日:2013年10月19日
ISBN:9784895881296
評価スコア 4.53
評価ランキング 7,140
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  • 心が、どこかへ 受賞レビュー

    まるで しんしんと降り続く雪のような、
    遠い夜空に輝く星のような光の粒たち。

    眩しいほどの この光の粒を眺めていると
    心が、どこか遠いところへ行ってしまいそうになります。

    昔から知っている、「銀河鉄道の夜」。

    小説も絵本も持っているし、
    朗読もしたことがある。

    プラネタリウムの特別上映を観に行ったこともあるし、
    DVDも購入した。


    けれどもこの絵本は、それらの
    「今までに触れた、銀河鉄道の夜」とは明らかに異なっており
    それでいて、子どもの頃から持っているような
    何とも言えない不思議な気持ちになりました。

    きっと、自分の中にある「銀河鉄道の夜」が具体化されているのが
    この絵本なのだと思います。

    なんとも愛おしく、大切にしたくなる絵本です。

    投稿日:2014/07/03

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    2
  • 宮沢賢治の作品の中でも、とても有名なこの作品。

    ロマンチックなタイトルから、不思議で煌めくような旅のお話だと、勝手に思い込んでいました。
    …けれど、結末は悲しいものでした。

    ジョバンニが汽車の中でカムパネルラに会った時には、彼はもうこの世にはいませんでした

    「ザネリはもう帰ったよ。お父さんが迎いにきたんだ。」
    「ぼくわからない。けれども、誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。だから、おっかさんは、ぼくをゆるして下さると思う。」

    …自分がどうなったか、自分はどこに向かっているのか、カムパネルラにはわかっていたんですね。

    ジョバンニのあの切符は、唯一ジョバンニだけが行ける所、現実の世界へ戻るための切符。
    カムパネルラの地図は、遠い場所へいくための地図なんだと思いました。

    残された最後の時間。
    それは二人にとって長いようで短い、でも永遠のようにも感じられる。
    カムパネルラは親友に見送って欲しかったのか、それとも一緒に連れていこうとしたのかは、わかりません…。

    カムパネルラが最後に教えてくれたのは、命や幸いについてでした。
    そしてジョバンニの「銀河の中を歩いてみたい」という夢も叶ったのです。 大好きな親友と一緒に…

    宮沢賢治の描く宇宙、銀河。
    ため息が出るほど美しく、漠然とした切なさも感じられました。

    私、星めぐりの歌が大好きなんです。
    作中に何度か出てきましたね。
    さそり座の話は、少しよだかの星に似ているなと思いました。
    銀河鉄道からなら、よだかの星も近くで見られるのかしら…

    色んな思いを馳せながら、何度でも何度でもじっくり読みたい…浸りたい…

    そんな作品でした。

    投稿日:2014/07/01

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    1
  • 大人向けの物語

    絵本というよりは、「物語」。言葉使いは原文のママですので、子供には解説しながら読み聞かせをするのが良いと思います。

    親子で読むのであれば、小学校高学年以上の子供と、「この単語どういう意味だろうね」という風に会話をしながら少しずつ読み進めるのが理想です。

    物語としてはやっぱり良い!銀河を旅しているような気持になり、目の前に自然と情景が広がります。そしてなんだか切ない主人公に感情移入してしまいます。絶対に読んだ方が良い1冊には間違えありません。

    投稿日:2016/11/30

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    0
  • 創作写真の個展

    今年65歳で定年退職し誕生日に新宿にて「幻想四次元鉄道」(銀河鉄道の夜から)と題し写真の個展を開き長年の夢を叶えました。
    写真が趣味で 学生時代は蒸気機関車を全国に追いかけ 社会人になってからは ラッセル車や単行列車などを撮影してきましたが 近年はカメラと情報の発達により誰もが同じような写真になってしまい残念に思っていました。そんな時 思い描く世界を写真にする「創作写真」を思いつき長年気になっていた「銀河鉄道の夜」の写真化にチャレンジをする事にし 文庫本を読み返しましたが 難しくて悩んでいた時 本屋さんで「銀河鉄道の夜」の絵本を手に取ったところ 内容がどんどん理解でき すぐ買って帰りました。
    写真化するにあたっては 合成写真法は使わずオリジナリティーを重視し絵本の絵とは違う雰囲気にする事も心掛け 約2年かけ何とか個展を開くことが出来ました。
    子供だけではなく大人にも絵本は必要なものである事がよく分かりました。

    投稿日:2016/11/30

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  • 絵本で読む賢治の世界 翳り絵の銀河

    • ニハルさん
    • 60代
    • その他の方
    • 茨城県

     花巻の出身です。
     かつて賢治の童話は全部読破しようと全集もそろえましたが、代表作といえる「風の又三郎」と「銀河鉄道の夜」は長いし、映画やあらすじだけで省略してしまっていました。
     いせひでこさんの絵本が好きで、青い表紙が印象的な「風の又三郎」を読んだとき、とても楽しくあっという間に読めて、改めて絵の力を知りました。充分大人になったのもありますが、賢治が好きな方たちが、その世界をしっかり読み込んで描かれているのですものね。
     それで、「銀河鉄道の夜」も絵本でと、こちらも絵が大好きな東逸子さんのくもん版と、同じような体裁のこのミキハウス版を読みました。
     金井一郎さんの絵は初めてで、翳り絵という手法も初めてでした。
     表紙は、町外れの丘から、天の川に見とれていた主人公のジョバンニをのせて、銀河鉄道が空に上っていく場面ですが、なんとも不思議な心ひかれる絵なのです。そしてどのページも、まさしく夜空の黒青色の中に、星も、林も、花も、鳥も、波も、光も、林檎も、人も、針の穴のような白い点々で、実に細やかに美しく輝いているのです。
     すごく長い時間をかけて書かれた絵の数々と知りましたが、「銀河鉄道の夜」は、ケンタウルスの祭りの一夜の出来事だったのだとすっとわかる素晴らしい絵本でした。
     ただ、全文にルビを振っているせいなのか活字が大きくて、余白が少なく、文章の体裁はくもん版のほうが読みよかったです。くもん版の絵はずっと少ないですが、ジョバンニもカムパネルラも沈没船の姉弟もしゃれた都会的なまさに東さんの絵でした。

    投稿日:2016/11/30

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  • 人は、生きてゆく

    自分が子供のころ、教科書か何かに載っていた宮沢賢治さんの作品は、擬態語の繰り返されたメルヘンチックなものだった。そしてその後、自分から進んで彼の作品にふれることはなかった。
    子供ができて、何か本を選んであげようと思ったとき、彼のやさしい文体を思い出した。男の子が興味持ちそうな話を…と思い、本書を手に取りページをめくっていくうちに…。
    おりしもわたしは映画『タイタニック』を観たばかりであった。乗っていた客船が沈没した、という客のくだりまで読んだとき、ああ!これは死んだ人を乗せる列車なんだ!と気づき…じゃあ、カンパネラは?カンパネラは?(確か彼は川へ遊びに行ったはず…嫌な予感がした)もうそれ以上、ページをめくるのが、ジョバンニとともにもとの世界へ戻るのが怖くてたまらなくなった。
    一つ一つのエピソードの奥が深そうで、ほんとうのところは理解できていないけれども、どんな悲しいことがあっても、不条理なことがあっても、人は生きていかねばならないのだなあ…と思った。

    投稿日:2016/11/09

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