インパクトのあるタイトルと表紙絵!
“だいふくくん”の立体感ある描き方と粉の感じがリアルでよかったです。
お話の中に登場する和菓子の色や形(質感)なども、相当工夫して描かれたんだろうなぁと、思いました。
特に“水まんじゅう”の、この透明感ってば、すごいです!
ただ、今まで読み聞かせなどで子どもたちに直接絵本を読んできた感触の1つとして、個人的に「う〜ん……?」と思ってしまうことがありました。
大人もしくは高校生くらいの経験値があれば、この絵本のラストの“だいふくくん”の自己犠牲のカッコ良さは分かりますし、すごくカッコいいと思えます。
でも、小さな子どもたちは作品に共感すると、主人公の気持ちになりきって読んでしまったりする子が多いような気がします。
それなのに、最後に主人公が「消えてしまう(死んでしまう)」終わり方の絵本は届けにくいです。
ラストはみんなで仲良くなって、またねずみが来ても
「うっしゃ〜!みんなで協力してるから食べられないよ〜ん」みたいな終わり方だったら、喜んで子どもたちに読むのですが……。
絵も話も悪くはないのですが、この絵本を小さいお子さんたちに薦めるのは考えてしまいました。
読むのはいろんな経験をして、大人になってからお薦めします。