他の本を読んだことがあるので
こちらはどうかなと楽しみにしていたのですが
何だか綺麗にまとまりすぎていて
心が動きませんでした。
夫婦に子供が出来ずに、ようやく妊娠する。
大切な子供のために、欲望のまま魔女の庭の葉を食べたいと切望する。
言うことを聞く旦那さん。
人の欲望の深さを感じるお話ですが
その、どろどろしたところがあまり感じませんでした。
魔女も悪者でなく、ずっと一人でいました。
ラプンツェルを奪い取った後もいじめることなく世話しました。
一人でなくなったのが嬉しくて塔に閉じ込めたのかなと思いました。
裏切られても、殺すことなく、森の中へ連れて行きますが、
それほどに魔女もラプンツェルを愛していたのだと思いました。
でも、ラプンツェルも王子に恋をする。
これも欲です。
育ててくれた魔女に対する気持ちよりも、愛欲が勝ちます。
目が見えなくなった王子も愛欲があるからこそ
ラプンツェルを探し出せたのでしょう。
再会して、結婚を申し込む必要はないのです。
もともと両想いで、その強い愛があるからこそ
二人は結ばれるのですから。
私は勝手にそう判断したので、内田さんの訳は
綺麗過ぎてどうかなと思いました。