この本の帯に「テーマはいじめ、中高生にも読んで欲しい・・」とありました。
が、私は、「テーマはいじめ」というのは、ちょっと言い過ぎなんじゃないかな・・・と思いました。
オオカミクンとうさぎのトムは友達になります。
はじめ、小さかったオオカミクンもだんだん大きくなって、
「おおかみがこわい」ごっこをしたときに、いつしかトムは、オオカミクンが本当に怖くなり、食べられてしまうのではないかと家に閉じこもって出てこなくなります。
オオカミクンは全く、悪気もウサギを食べるつもりもありません。
確かに、悪気はなくても、相手に不快感を抱かせてしまうことは、多々あります。
この絵本では、オオカミクンが、自分も怖い目に合い、「オオカミが怖い」ということを身をもって体験して、トムが、嫌だと思うことはしないでおこうと決めるのです。
が、人間界では、そう簡単に相手は悟ってくれません。
こういう、悪気がなくて、相手が気づいていない場合、話し合いが一番重要。誤解を解くこと、信頼関係を築くことが大事です。
日本には、この手のテーマの本で、「あらしのよるに」という名作があるので、少し、物足りない気がしました。