かわいらしくて優しいタッチのイラストに、開いてみようかなという気持ちにさせられました。
読み始めて、お父さんとの触れ合いが題材で、とってもいいなぁという第一印象です。
子供にとって、父親ってお母さんと同じくらい大切で、特別な存在ですよね。
でも、お母さんとはまた性質の違うあたたかさや、安心感、力強さがあったりする、それを上手に想像の世界に絡ませて描いているのが良いと思いました。
タイトルでもあり、テーマでもあるお父さんの手が大きく大きく描かれていたり、想像の世界に入っていく時の、船にお父さんの顔、逆に現実の世界に戻す時の、眠ったボクのまま船がお父さんの手になっているところは、うまく場面をつなげていて、お父さんの手のイメージがうまく物語や絵にシンクロしているなぁと思いました。
子供にも、伝わりやすいと思います。
お父さんの良さを伝える絵本、とーっても大歓迎です。
ただ最後のところで、ボクの目線だったのが、急にボク以外の目線に切り替わったような感じを受けました。
そのため、文章の気持ちの主が唐突に変わった気がして、少しとまどいました。
それでも、お父さんの大きさやあたたかさ、そして最後のイラストから家族のあたたかさ、これはじゅうぶん伝わります。
ほのぼのした、良い絵本だと思います。