継母とその連れ子である姉にひどい扱いを受ける娘の話です。娘に名前はつけられていません。真冬だというのに、継母の言いつけで、姉の誕生日のために、春に咲くマツユキソウを取りに行かされることから話が始まります。
森の空き地に集まっていた12の月がこの娘を助けたくなり、娘の望むマツユキソウをさかせてくれます。それを見た継母と姉はもっと良いものをもらってこようと欲を出し、死んでしまうという展開です。一方の娘は結婚をし、子供にも恵まれ、幸せに暮らすというハッピーエンドです。
シンデレラと同じような型ですが、王子様に嫁入りするという贅沢な結末ではないところが素朴で味わい深いと思います。姉が欲張ってほしがるものさえ、りんご、なし、いちご、きのこ、きゅうりなどです。それだけ東欧は自然条件が厳しく、つつましい生活を余儀なくされていたということでしょうか。
話がその単純な展開の割に少し長いような気がしましたが、スラブ的な雰囲気の漂う絵は美しく心に残ります。