お父ちゃんが魚屋の仕事そっちのけで夢中になった凧作り。
できた子どもにも巴御前の名前をつけたりして…。
でも、戦時中の話でした。
長崎さんの戦争シリーズの中で、不思議と悲壮感が表に出てこない作品です。
それにしても…、とは思ってしまうのですが。
招聘されて中国に出兵したお父ちゃん。
戦地で凧揚げとは信じられない話ですが、戦場の厳しい状況下にもそんなのどかさもあったのでしょうか。
ただ、連凧を揚げている光景は、その後を予測させてしまいました。
敵に居場所を教えているような者ですから。
お父ちゃんは撃たれて死にました。
お父ちゃんは本望だったのでしょうか。
家族はどう思ったのでしょうか。
やはり生きて帰って、平和な時代に思い気入り凧に取り組むお父ちゃんを見たかったのではないでしょうか。