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岩波少年文庫 あらしのあとなかなかよいと思う みんなの声

岩波少年文庫 あらしのあと 作:ドラ・ド・ヨング
訳:吉野 源三郎
出版社:岩波書店 岩波書店の特集ページがあります!
税込価格:\748
発行日:2008年06月
ISBN:9784001141511
評価スコア 3.5
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  •  「あらしの前」の続編です。あらし(第二次世界大戦)が終わったあとのオルト家の様子が語られます。

     「前」のお話の時から数年たって、子どもたちの成長が著しいのには、驚くばかりです。

     いたずらっこだったピムは色々なことを感じ、考える少年に。子どもらしい真面目さと一途さを備えていたルトは、しとやかな少女になっていました。今回は、ビムの代わりに、長女ミープの息子、ロビーがやんちゃぶりと愛らしさをふりまきます。そしてアメリカに渡ったユダヤ人の少年が、無事に青年になり、訪ねてきてくれたのは、なんと嬉しいことでしょう!

     食料を初め、何もかもが足りない日々ですが、物資面だけでなく、実は精神面での回復も必要でした。人の心は、まだささくれだっています。そして、なんでも戦争のせいにして言い訳をする子どもたちにお母さんは言いました。

     「・・それは戦争のせいではなくて、わたしたちがするからするのです。そのときどきに、何かわけがあってするので、戦争のせいじゃありません・・」

     落ち着くにはまだ時間がかかりそうですが、オルト家の人々はあらしの前と同じく、家族同士、そして隣人と温かい関係を育みながら乗り越えていきます。

     「せんそうってものはおそろしいもんですよ」バスにのりあわせたおばあさんの言葉です。どの国の人も皆、そう思っているのです。この素朴な言葉を、忘れてはいけないと思いました。

    投稿日:2014/09/08

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