キリリとしたオオカミの絵に惹かれて手に取りました。
ウサギのマルクは体調が悪く、お母さんウサギに連れられお医者さんを訪ねます。
モグラ、魚、犬、猫…。
アドバイスはもらえるのですが、ちょっとウサギには当てはまらないような感じ。
お母さんウサギは納得せず、次々と他の動物のお医者さんへ行きます。
納得いく話が聞けず困っていたら、フクロウが「オオカミのお医者さんが良いよ」と声をかけてきます。
オオカミなんて、とんでもない!お母さんはマルクに付いて行く気になれず逃げてしまいます。でも、やっぱり心配になってオオカミの元へ行ってみると…
オオカミはマルクに野うさぎが活躍する絵本を読んでくれていました。お母さんにも納得がいく治療法を話してくれました。
おまけに夜も遅かったので、一晩泊めてくれたのです。
先入観にとらわれてはいけない、というお話です。
でも。子供はそう解釈してくれるのかなあ。ちょっと心配です。絵本の中ではキリンも象も診てくれるネコのお医者さんもいます。けど、この絵本の世界では違うような印象があります。モグラのお医者さんのアドバイスもモグラには有効なのかも…と思える節が残ります。
うがった見方をして
「自分の求める意見を言ってくれる人を探すのは良い事だ」
と思うかもしれない。
「ウサギのお医者さんがいたら、いいのにねえ」
何度か読んで子供が言いましたが、そういう一文がどこかに欲しかったと思います。
背表紙に、登場した動物のお医者さんと人間のお医者さんの集合写真があります。ウサギのお医者さんはいませんでした。それで子供は納得してましたが…。
絵がシンプルで、力強くて素敵です。見ていると元気が出てきそうな感じ。
ちょっと大きめのサイズなのも絵に迫力が出て良いと思います。