絵本としてはとても素晴らしい作品ではないかと思います。
原作はインドネシアで大変有名な昔話の「影絵芝居」だそうで、作者は現地でこの作品に触れ、10年かけて日本版の絵本として仕上げたそうです。
主人公はどちらかというと、双子の兄「スマントリ」ですが、決して、非の打ちどころのない素晴らしい青年というわけでなく、むしろ、姿は醜く、親に見捨てられてしまった双子の弟「スコスロノ」の方が、心根はやさしく描かれていました。
ただ、昔話というのは、どの国のものでも、顛末に「えっ!?」と思うような結果が待っているのもので、このお話もたぶんインドネシアの神への信仰というものをきちんと理解していないと、なぜこんな終わり方?と、悩む人もいるかもしれません。
残念ながら、うちの子は絵を見た時点で、全く興味を持ってくれなかったので、(不思議な展開だけど、読むと面白いのに)私だけが読みました。
本の後ろには、小学校3年生からとありますが、読んだ感触では、もう少し高学年の方が、内容を味わえるのではないでしょうか?