絵本ですけれど、「物語の絵本」というよりは「デザインの絵本」と
いった印象でした。スタイリッシュで素敵です。ぱきっとした色使いや
かわいらしいおうさまの絵のせいで、前半の「おうさまのかなしみみたい
なものも、それほど感じることなく、穏やかに読みましたが、よくよく
見ると、おうさまがひとりぼっちの頃は、背景が黒なんですよねえ。
おうさまに涙をながさせたり、悲しい顔をさせるかわりに背景の色で
おうさまの心を表現しているのだなあ。
娘は物語の内容よりも、「なぜ、おめめがひとつだけのへいたいさんと
ふたつあるへいたいさんがいるのか?」とか(横向きに歩いているか
正面を向いているかの違いですよね)「ひまをあたえるってなにか?」
といったことが気になったようです。
小さい頃からたくさん読んできた『くっついた』と同じ人が作った絵本
だとは気づかなかった模様です。よりデザイン的だものね、こちらは。