学校での読み聞かせで取り上げました。
「みんな、ひみつにしてることある?」って聞いてみると、顔を見合わせながら無言。そりゃそうだ、ひみつだから話せないよね。でも、なんだかひみつがありそうな顔をした子も何人かいます…。
ひみつ、という言葉に子どもたちはひきつけられた様子。そこで、本を取り出して見せます。
鮮やかな色でグリグリと力強い線で描かれた表紙のオオカミ。
子どもたちから「うわー、こわそう」とのつぶやきが…。
森で恐れられているオオカミのヒミツはなんと、「シャクトリムシがとってもニガテなこと」
通り道にシャクトリムシを発見すれば、飛び上がって逃げちゃう。追い詰めた獲物のコブタのおしりにシャクトリムシがついてれば、「うっ」となっちゃう。
でも、森の動物たちに、弱点を知られてはならないと、オオカミは頑張ります。強がります。無理します。
そんなオオカミの姿に、子どもたちもくすくす笑ったり、ちょっと心配そうだったり。
ついにオオカミ最大のピンチ。彼の敵は、ライバル・ハイイロオオカミではなく、彼の恐怖心とプライドです。
結末は…虫が苦手な子は顔をしかめてオオカミに同情していました。
怖いオオカミが、実はちょっと情けないヒミツを抱えているのを知ると、なんだかかわいらしく思えてきます。
みんなにとってはなんでもなくても、本人にとっては大問題ってこともあるんだねってわかると、自分の問題も実はたいしたことじゃないって気づく時がくるかもしれない、なんて感じました。