小川未明といったら「赤い蝋燭と人魚」が代表作で、悲しいお話が専門(?)くらいに思っていた作家ですが、こんなアンニュイな雰囲気の主人公の、ナンセスものも書いていたんですねぇ。知らなかったです。
我が家の子供たちは、なぜ「妙な男」は、顔の上にダンボールをかぶっているのかを、しきりに気にしていました。
でも、私は主人公がダンボールをかぶっているところがかなり気にいりました。(原作は読んだことがないのですが、イラストの石井聖岳さんが考えたアイディアだったら、すごいと思います)
電信柱が動いたり話したり、意外と気の回る性格だったりするところが、とても人間的で好感が持てるのですが、「友達になろう」と言っておきながら、電信柱の言うことなす事にいちいちケチをつける「妙な男」は、なんか嫌な奴だったので、結末は細く笑んでしまいました。
素直に面白いと思いました。(ただ、子どもからあまり賛同してもらえなかったので、評価はまずまずのところにしてあります)