内田麟太郎&山本孝コンビの、季節のお話シリーズ。
もともとの行事をベースに残し、独特の世界観でお話が拡がります。
「流し雛」の行事を、あえてそれを主題にはしないで お話は進みます。
おばあちゃん、おかあさんと一緒に川で流し雛をする、ももちゃん。
「ももちゃんの、病気や厄をお雛様が 持って行ってくれますように・・」
その時、川からすーっと手が伸びてきて・・・
だめ!かえして!わたしのおひなさま!!
持ち去られた雛様を追って ももちゃんは、川の中の世界へ。
そこには、ももちゃんと同じ年頃のかなこちゃんが、病気で苦しんでいます。
お雛様、お願い!かなこちゃんを助けて。
子を思う家族の愛情を、川の中でも、川の外でも感じられて・・
また、ももちゃんの中に芽生えた 思いやりの心、そして友情。
みんなのやさしい気持ちに、ほわっとつつまれる・・そんなお話です。
そして、絵。
川の中の世界を、こんな風に描くんだぁ・・とすみずみまで見入ってしまいました。
空は、流れていく川の水面。髪の毛や着物はゆらゆらと水にゆれ・・。
そして、川の中を流れていく川。
心地よくクスグられている様な、不思議な感覚。
ベーシックなひな祭りの本と一緒に、ぜひ読んであげたい1冊です。
(女の子だけじゃなく、男の子も十分楽しめる本です。)