まず表紙で涙を浮かべた黒いねこの顔が半分、大きく描かれているので、この黒いねこに悲しい出来事がある予測ができます。
表紙をめくると、題名と共にかまどの中に寝ているねこの姿が描かれています。
「かま猫」という言葉を理解できない現代の子どもたちのために、この絵を最初に見せることで、物語に入りやすいです。
そして、文章と絵が一体になっていて、とても読みやすいです。
猫たちの表情も豊かで、室内を色々な角度から描かれているので、自分もその場にいるような感覚になります。
他の出版社の絵本も読んで、比較してみたくなりました。
おはなしの内容は賢治らしく、弱い立場のものへの応援に感じました。
表紙と裏表紙の裏に描かれた木が、寒々しいなかで精一杯、葉をのばしている絵から、葉はなくなっても暖かい背景になっている絵に変わっています。
おはなしの内容を表していると思いました。