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前作『風神秘抄』が出版されたのは10年前、読んだのも10年前。ということで、前作の内容はすっかり忘れ、自分の記憶力のいい加減さに少々(かなり?)淋しい思いをしながら読みましたが、面白かったです。こんな物語世界を紡ぎだせる作者の頭の中はどうなっているのか?と驚くばかりです。 「源頼朝」=「鎌倉幕府」という単語しか頭に思い浮かばない私でしたが、フィクションとはいえ このお話を読むことで、「源頼朝がかつて人として生きていたんだ」(当たり前なのですが)と感じることができました。河津三郎と和解し、今後友情が育まれそうな場面は微笑ましく、そこに一人の少年の姿を見ました。 そして今までは各地の神社の縁起や土地の伝承など、「適当な作り話?」と全く気にしていなかったのですが、もっと関心を持ちたいなと思うようになりました。歴史やファンタジーが好きな人におすすめです。
投稿日:2017/08/07
前作『風神秘抄』からずいぶん経っていて、キャラクターは覚えていてもストーリーが抜けていてアレだったが、しっかりした文章、筋立ては、心地の良い「本の世界」へ誘ってくれる。 でもやっぱり前作の大筋を押さえてから読むのが良いだろう。前作の業(ごう)が解決されるストーリーになっているので。 頼朝が伊豆に流された頃を、荻原さんらしい筆致で描き出す。成長ファンタジーになっていて、心象風景がいわゆるファンタジー部分だから地味な感じもしなくもない。 こういうお話も大好きだが、一見冒険ファンタジー風を期待するつくりだけに、山の部分がけっこうラストに来て、ページ数も少ないことに寂しいような不足感はある。それなのにエピソードが盛大なので、前作と二作でひとつのお話なのかなぁ。再読したくなった。 しかし、ま、「RDG」の作者ならでは、という気もした^^ 勾玉や風神、荻原さんの和ファンタジーが好きなら読んで損はなし。
投稿日:2016/03/07
「風神秘抄」のその後のお話。そちらを未読な方はそちらから読むとより良いと思います。 草十朗や糸世が出てきますが、主人公は伊豆に流された源頼朝(15歳)です。 頼朝の成長物語。 面白かったです。 上質ファンタジーでおすすめです。
投稿日:2015/10/31
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