ベルリンに住む12才の少年と、その家族、友達などの日常を撮影した写真絵本。家族は父、母、兄、ペットのうさぎ。
1989年、ベルリンの壁が壊れ、東西のドイツがひとつになった。
私は子どものころにこのニュースを聞いたが、それがどういう意味を持つのかよくわからずに大人になった。
今、ドイツはお金はユーロを使っている。90年代に旅行に行ったときは、まだ「マルク」というお金を使っていたのを懐かしく思い出した。
その当時に見た町並みや人々の服装などが、あまり変わっていないような印象を受けた。ドイツの人は、環境問題やリサイクルなどに関心が高く、ものを大事に使うらしいが、そんな感じがこの写真絵本から伝わってくる。
クリスマス市や、ビール祭りなど秋〜冬にかけての印象が強い国だったが、絵本では夏のドイツも多く撮影されている。湖で水浴びして楽しむ人たちや、半そでであちこちを走り回る少年たち。公園などで自然と親しむ様子がさわやかだ。
学校の活動は、日本と相当雰囲気が違う。10〜12才で進路を決めるため、自分に何が向いているかをしっかり考えることができるように、いろいろなことが体験できるようになっているらしい。
古いものと新しいものをうまく取り入れ、なるべく自分でその辺にあるものを工夫して使ったり、修理したりしている姿が、ものを大事にし、考えたり試すことで経験をつんで大きくなっていくしっかりした人をつくっていくように思えた。
派手さはないが、しっかりした豊かな暮らしだと思った。