リンドグレーンの描く子どもたちは、どうしてこうも生き生きとお話の中を動き回っているのでしょう。
ピッピもローニャもニルスもロッタもそうでした。
こちらのお話の主人公は、エミール。
スモ―ランド(スウェ―デン南東部)レンネベリア村のカットフル農場が舞台です。
お手伝いさんや農場で働く男の人を雇う大きな農場の持ち主が、エーミルのおとうさんです。
このエーミルが主にこの農場の中で、繰り広げるいたずらの数々が、描かれています。
読み物として読んでいる立場では笑えますが、エーミルの親の立場なら何度も気絶してしまっているかもしれません。
いたずらの後、反省の為入れられる木工小屋で、エーミルのしていたことが、エーミルの武勇伝の見事な証拠となるエンディングにも笑いました。
リンドグレーンは、スウェーデンの南東部のヴィンメルビューで生まれ。
小さな牧場で家族と共に過ごした子供時代の経験があるそうで、本作品にも彼女の経験が、投影されているのではないでしょうか。
20世紀初頭の北欧の農家の生活の様子が、とてもよく解ります。