意外と知らない、日本にカレーが普及していった歴史。今では当たり前のようになってしまったけど、ここまでカレーが進化して普及するには並々ならぬ奮闘努力をした人たちがあった!
文明開化の時代に、西洋料理の1つとして、イギリスから伝わったカレーは、それまでの「肉食禁止」の文化の壁を乗り越え、舶来のカレー粉を使ったためにバカ高くなった価格の問題を乗り越え、なじみのなかった西洋野菜を受け入れ、何故か福神漬けという素晴らしい友達を得て、じわじわと広まっていった。
特筆すべきは、国産のカレー粉の開発。「東洋の神秘的な方法によってつくられた」としか書かれていなかった当時の輸入カレー粉を、原料を一から調合して、日本人の味覚に合わせたものを開発した人々のど根性。一体何回失敗し、絶望し、打ちのめされたことだろうか。その偉大なる先人の偉業のお蔭で、今日の手軽なカレールゥなどを我々は利用できるのかっ!
壮大すぎて、毎回、スーパーのカレーコーナーで拝んでしまいそうである。
巻末には、明治時代のカレーと、海軍のカレーの作り方が懇切丁寧に紹介されているので、是非とも挑戦すべし!!
ルーを使わないで(カレー粉で)作る方法がマスターできるぞ!!
ちなみに、「ライスカレー」と「カレーライス」の違いは、どうもあいまいで、どちらが正しいというものでもないらしい。うちのじいちゃんは大正生まれだが、ライスカレーと言っていた。なんだかそっちの方がお洒落な気がする。