むかし、おじいさんとおばあさんが、しらかばの森のそばでなかよくくらしていました。その年は寒くて、小麦も野菜もほんの少しかとれませんでした。最後のパンを分け合って食べ終わった時、おばあさんがいいました。
「もう食べるパンがありません。しらかばの木を切って、売って、パンを作る粉を買いましょう。」
おじいさんが、翌日、しらかばの木を切ろうとした時、一匹の金のねこが現れたのです。しらかばの木を切らないでと頼み、そのかわりに欲しいものをあげるからと言うのです。
家に帰ると、なんとパンを作る粉があったのです。
ふたりの欲しいものはほんの小さなことばかりでした。それをきいた隣のよくばりなふたり…
金のねこが出してくれたものは…
正直に生きて、つつましく生きた方が良いとのことのようです。
気になるのは、この金のねこの正体。背筋をぴんと伸ばして立っている表紙の絵からして、ただ者ではなさそうです。