読んだ後で心が暖かくなるような、素敵なお話しでした。
デイジーさんは劇場で働いています。でも、今年いっぱいで劇場が壊されることになってしまいました。ティモシー一家にとっても想い出がいっぱい詰まった劇場。ましてや小さい頃からここでたくさんのお芝居を見てきたデイジーさんは寂しい気持ちでいっぱいでした。
これまでの写真を見ながら昔の思い出を語り合うデイジーさんとティモシー一家。その中の一枚、「ひなぎく姫」のお芝居は、とりわけデイジーさんにとって思い出深いものでした。
「最後の記念に、ひなぎく姫のお芝居をみんなでやってみましょう」とサラのおじいちゃんが言ったことをきっかけに、みんなは心を一つにして、ひなぎく姫の舞台を成功するためにがんばります。おばあちゃんは衣装係。郵便屋さんは音楽担当。大道具はおじいちゃんと町の大工さんやペンキ屋さん。友達や知り合い、昔一緒に働いていた仲間たちも集まってくれました。そしてサラはひなぎく姫。なかなかセリフがうまく覚えられず、落ち込んだりもするけれど、その度にデイジーさんが励ましてくれます。
みんなで力を合わせた舞台は大成功。最後のページ、写真の中のデイジーさんはとても晴れやかな笑顔です。元気を取り戻したデイジーさんはこれから新しい夢を探していくのでしょうね。
誰かのために力を貸すことの大切さ、思いやりの尊さを教えてくれる絵本でした。お芝居の衣装・小道具などもとてもかわいらしく描かれています。劇場の暖かい雰囲気もとても素敵です。幼稚園ぐらい〜おすすめします!