「ごろべえ もののけのくにへいく」 自信を持っておすすめしたい みんなの声

図書館のオススメコーナーで見つけました。
怖いもの知らずのお侍、日本一強いごろべえは、「怖い思いをしてみたい」と、もののけの国に行くというお話。
なかなか怖い思いをしなかったごろべえが、最後に、小僧さんにしてやられます。
いやー、怖かった。
優しいごろべえに、きゅんとします。

物の怪の国、というのが、惹きつけられますね。
強者の侍、ごろべえのエピソード。
ごろべえの悩みは、なんと、「こわい」「ぞっとする」がわからない、ということ。
和尚さんに相談して、物の怪の国へ行くことになるのですね。
時はススキ野原の季節、月見の宴の物の怪たち。
王道の物の怪たちですが、意外にマイルドな造形で、
ごろべえの悩み解決に役立たないのはごもっとも。
さらに、レベルアップの物の怪も、
ごろべえのとらえ方も相まって、絶妙にマイルドな印象に。
どう結末をつけるのか、不安になったところに、
小坊主のすごいアシスト。
なるほど、前半にエピソードが効いています。
優しい心根だからこその、着地点。
幼稚園児くらいから、ドキドキ、ほっこりできると思います。

力の強さは百人力、剣をとれば向かうところ敵なしの、日本一強い侍のごろべえのお話です。
しかし、そんなごろべえにも困ったことが１つ。
「こわい」と思ったことがないのです！
そして、こわいを求めて旅に出るごろべえですが、やっぱり。。。
しかし、ある小僧がそんなごろべえにこわさを！
その結末が、何だか人間らしい優しさ溢れるもので、読み手もほんわかにっこりした気持ちになしました。

こわいもの知らずの「ごろべえ」が、“こわいおもい”を知りたくて、物の怪の国へ行くという面白い設定です。
中表紙を入れて22ページ。しっかりとしたストーリーがあるので、5.6歳くらいから小学校低学年くらいまで楽しめるのではないでしょうか。
個人的には、せっかく物の怪の国へ行ったのですから、ごろうべえ以外の人が見た時、もう少し「こわい」物の怪に現れてほしかったです。
最後のオチはよかったですね。庭にいた「こぼうず」さんのモデルは一休さんでしょうか。
テンポが良く、面白かったです。

誰もが怖がるもののけの国へ行ってもころべえは、怖がらなかっ

たです。「ただのごろべい」は、日本一強い侍であって、日本一

優しい男だと思いました。小僧さんが投げた赤ん坊を、大慌てで

赤ん坊を救い上げて抱きました。本当は、枕だったのですが、

「冷や水を、頭から　かぶったようだ！」

「それが　ぞっとすることで　ございます」と、小僧さん。

「ああ、こわかった」ごろべえは、ぞっとすることと、怖い思いを

体験できました。枕でよかったですが、ごろべえでなくても、怖い

思いはみんなすると思いました。

怖いとかぞっとしたとかという経験がないごろべえさんですが、思いもかけないところに弱さがありました。
その人情味溢れるごろべえさんに、とても親しみを持ちました。
もののけの国に行っても、大入道に脅されても、びくともしないごろべえさんでしたが…。
あとは読んでのお楽しみです。