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『じゃがいも畑』のカレン・ヘスの作品として高学年向けの読み聞かせに向く本のリストの中で知った本です。 尖閣諸島国有化で半日デモがあった時に、中国の日本料理店が中国国旗を掲げ、尖閣は中国の領土という幕を作って自衛したというニュースを見ました。 自分の国ではない他国で暮らすということはもちろん容易なことではなく、戦争やクーデター的なことがひとたび起これば自分自身の命も危うい。 日本に住んでいるとつい忘れてというのかあまり感じずに過ごしてしまうのですが、こうしたナチスのユダヤ人迫害のお話を読むとそれを痛切に感じます。 もう一つ思ったのは、集団への読み聞かせの場合、あとがきまでしっかり読むのか?ということ。この作品の場合、あとがきまでを伝えないとわかりにくいのではないかと。 『アンネ・フランク』の伝記を読んでからユダヤ関連の本にも興味を示すようになった息子はやはり興味を持って聞いていました。 お話としては短いのですが実話を元にした話だけに力があります。
投稿日:2012/11/09
ナチスドイツ時代の悲しい物語。 実はこの話には戻るとなる人物と、実際に起こった歴史的出来事があったそうです。 ナチスドイツ時代のヨーロッパにはいろいろな出来事が起きていたんだと、改めて思いました。 絵本の中では本当に起こったことを淡々と描いている内容でしたので、登場人物たちに思いりれをするほど感情的になったりはしませんでした。 物語を読んだ後で“あとがき”を読み、「ワルシャワ」という町ではレジスタントたちがそれこそ命がけでこういうことをしていたんだ。と胸に来るものがありました。 第二次世界大戦や、ナチス時代のヨーロッパの歴史に興味のあるお子さんには、ぜひ手にしてほしいお話です。
投稿日:2011/07/01
実話を取り上げた作品だそうです。 1939年、ポーランド、ワルシャワの陥落。 ワルシャワやその周辺の町のユダヤ人たちは、ナチスドイツによってワルシャワにつくられたゲットー(ユダヤ人居住地区)の中に閉じこめられました。 この中は、凄惨を極める過密状態で、病気と飢餓の巣窟だったそうです。 ユダヤ人レジスタンスの活動はゲットーの中ばかりか、必死の逃亡でゲットーの外へ逃げだし、非ユダヤ人になりすまし活動していた人々にも及んでいました。 主人公の女の子の姉ミラや友人アリクらは、ゲットーの中へ食料を運ぶ計画を立てていました。 もちろんその食料は、ワルシャワの外から列車に乗った同士の手によって運ばれてくるものです。 いよいよというその日に、ゲシュタポ(ナチスドイツ秘密国家警察)に計画が気づかれ、主人公たちは一計を案じます。 ゲシュタポの裏をかくこの駅でのねこを使った攪乱作戦が、読んでいて小気味よかった。 知恵と力を合わせ、仲間を救おうと微力ながら諦めず、様々な形で戦ったユダヤ人の意思の強さに感動します。 彼らワルシャワのユダヤ人の戦いは、この後数年続きますが、無念のうちに消えていった命、何が起きたか解らぬまま消された幼い命の灯を思うと、何度読んでもナチスドイツの狂った蛮行を許せません。 中高生にも薦めたい一冊です。
投稿日:2010/05/08
第二次世界大戦中のポーランドでのお話。 ゲットー(高い壁に囲まれたユダヤ人居住区)から逃げてきた少女は、ワルシャワでポーランド人のふりをして生活しています。 遊び仲間はクラシンスキ広場の野良猫たち。 ある日少女は、生き残ったたった一人の家族である姉から、ある計画を聞きます。 それは、ゲットーにいる仲間たちに食べ物をこっそりと運び込む事。 しかし、その計画がゲシュタポ(ナチスドイツ秘密国家警察)にばれているという… 今まで読んできたユダヤ人のお話とは、ちょっと印象が違います。 勿論、背景にはナチスがユダヤ人を迫害するという紛れも無い事実があります。が、ゲシュタポを出し抜き、してやったり!!! 大惨劇の中のほんのすこ〜しほっとできるお話でした。 でもこの本は、しっかりと「あとがき」まで読んで、ただ痛快だったで終わらずに、子供たちにはいろいろな角度から、戦争の悲惨さを学んでほしいと思います。
投稿日:2009/05/26
第二次世界大戦中に、ワルシャワでおきた出来事をもとに 書かれた本です。女の子とお姉さん、そして仲間たちは、ゲットーに住む人々に、猫の通る穴から食料を運ぶ計画をします。しかしその計画はゲシュタポに知られてしまい・・・ 重い重い内容ですが、水彩画のような絵のおかげか、読み進めることができました。 子どもにも読んであげたいのですが、一文一文に、深い意味がこめられているようで、歴史の背景をうまく説明できるのか自信がありません。 最後のページのメリーゴーランドは、読むたびに物悲しく見えたり、明るく見えたり、ただそこにあるだけのように思えたり、奥が深く感じます。
投稿日:2007/04/03
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