まず、絵がとてもきれいです。そしてインパクトがあります!
表紙絵では、赤い唐傘をさしたパンダが大きなパンツをはいて屋根で曲芸でもしているポーズをとっています。
裏表紙になると、表紙のちょっと茶目っ気感がなくなり、同じようにパンツをはいたパンダが何やらカッコよくポーズをしているのですが、その背景(イメージは梅の花かな〜)とのコラボがものすごく合っていて、不思議な気持ちになります。
さて、この赤いから傘をさして大きなパンツをはいているのが主人公の「シズカくん」です。
作者は日本で彫刻を学び、オーストリア。ドイツ・イギリスで印刷とデッサンを学んだそうです。
そして邦訳者の三木卓さんの後書きによると、作者は日本をはじめとする東洋文化やものの考え方を大切に思っていて、それを西洋の子どもたちにも伝えたいと考えているそうです。
だからこそ、こういう魅力的でふしぎな世界を描けるのですね〜。
このお話の中で、パンダのシズカくんは友だちになった子どもたちそれぞれに1つずつお話をしてくれます。
作者流に多少アレンジしていますが、このお話は3つとも昔話ですね。
現在進行形の創作物語の中で語られる3つの逸話。
この挿入の具合が程よくて、わかりやすくてとてもよかったです。
小学校の高学年から中学生・高校生くらいのお子さんたちにぜひお勧めしたい作品です。