以前何度か、機織りの作業場をのぞく機会がありました。
そんなこともあり、親近感をもって読み始めました。
主人公は目の見えない「ふう」という女の子。
もうすぐ秋祭りだというのに、貧しいふうの家には着物を織る糸を買うお金がありません。
お母さんは寝る間も惜しんで、わらで草履を作り、それを売って糸を買うお金をためました。
やっとの思いで買うことの出来た真っ白な糸。それを赤い色に染めて、いざ、機織りの始まりです。
始めは見ているだけだったふうも、自分で織りたいという気持ちが芽生えてきて一生懸命に織り続けます。
お母さんのふうに対する大きな愛情、ふうの機織りを最後までやり遂げたいという並々ならぬ決意、着物に対する女の子らしい憧れの気持ち・・・色んな気持ちがひしひしと伝わってきます。
毎日地道に布を織るふうを、静かに見守るお母さん。
私も見習いたいです。
やっと織り上がったお日様色の綺麗な布を見た時には私も胸が熱くなりました。きっとふうの目にもお日様色の綺麗な着物が映ったことでしょう。
幅広く色々な方に読んでもらいたい、素晴らしい絵本だと思います。