「早く」も「ゆっくり」も自分の中では日常語になっていますが、改めて考えると、「早く早く」は親から言われ続け、子どもに言い続けてきた言葉のように思います。
逆に、「ゆっくりで良いんだよ」とは、周りから言われた言葉であったり、自分が気づかされた言葉のように思います。
急かされ追い続けることが良いのか、ゆとりを持って物を見ることが良いのか、単純に優劣をつける問題ではありません。
どちらも大事なんだと改めて感じます。
人から急かされることが自分を見失うことにもなりかねません。
自分自身を急かし続けたら、自分自身をコントロールできなくなります。
時にはスピードを落とし景色を眺めること、徐行して危険を回避することの大切さを忘れてはいけません。
「ゆっくりでも良いんだよ」と自分を鼓舞するようになった自分には、説得力がないかも知れませんが、自分の体内スピードメーターを再確認するような絵本です。
余談ですが、訳者の一青妙さんは一青窈さんのお姉さんです。台湾出身の父親と日本人の母親との子どもだとのことです。
そう考えると、台湾が日本であった時代を思い起こしました。
台湾の絵本ですが、日本の絵本と勘違いするほどの作品です。