軟体動物の「貝」をいろいろ紹介してくれる図鑑のような絵本。
2022年刊行。海辺で見つけた不思議な生き物をきっかけに、会の仲間に興味を持った筆者が、いろんな種類の「貝」の特徴や生き方、住んでいる場所、人間との関わり、その他いろんな話と、たくさんの写真が楽しい。
図鑑とは違って、横長の絵本なので、寝そべって読めるのも魅力。本書は図鑑ではないのに、かなり専門的な内容もふくまれていて、生物学の分類で「軟体動物」とされているもののみを扱っている。「貝」のように見えるが「軟体動物」ではないものもあるが、素人は「貝殻」があれば、全部「貝」だと思う。
逆に「貝殻」がないが、「貝の仲間」に入れられるものもある。
ナメクジ、ウミウシ、タコ、イカ、クリオネ…
殻がない、あっても小さい・わかりにくいところに持っている、など。ずいぶんいろいろな形があって、ビックリ仰天。
「貝」というと、ゆっくりのんびり生きているイメージを持っていたが、意外とアクティブで、強暴な肉食の貝もあるし、水辺に棲んでいるのに水が嫌いで逃げ回っているというへそ曲がりの個性派もある。
生物の多様性。いろんな生き方があっても、水辺は誰でも住まわせてくれる。地球の懐の広さを感じた。
ただ見ているだけでも美しいので、ぼーっとしたい時に本を開くのもいいと思う。
不思議な生き物は、宇宙人のように思えてきて、地球の生活が愉快になる気がする。