続けて読んでいるので、ラモーナの成長ぶりがよくわかります。作者がラモーナに愛情を感じて描いていることも伝わってきます。
ヘンリーくんシリーズは底抜けに明るいアメリカという感じがしましたが、ラモーナシリーズにはお父さんの失業やお母さんが働くために友だちの家に預けられるラモーナとか、ラモーナの憂鬱な部分や、仕事や家のやりくりに追われている両親の姿などあまり明るくない部分も描き出しています。
それが、今の日本の様子にも通じているところがあるかもしれないと思いました。
感受性が鋭いがゆえに、いろいろなことを感じるラモーナの心の機微が手にとるようにわかります。
クリアリーが描きたかったのはヘンリーくんよりもラモーナなのかなという風にも思えました。
ラモーナが自分の幼児時代のことを忘れて、友だちの妹・ウィラジーンと自分の幼いところは違うというところがおもしろく感じました。子どもは過去でも未来でもなく今だけを見つめて生きているんですね。