ことことごとん ごっとん。
ことことごとん ごつとん、
しゅっぱーっ しゅしゅーっ ぽっぽっー。
山奥の谷あいを、小さな蒸気機関車が勢いよく 走っています。
桜が満開で、菜の花畑の黄色のじゅうたんがとても綺麗です。
運転手のまついさんと、車掌のもりさんが、ぶるぶる震えるくま
のこのくまごろうを発見して、機関車にのせました。山の仲間たち
は、くまごろうを心配しました。元気になって、くまごろうが帰って
きたので、みんなは、「げんきになって よかったね。」「まついさ
ん ありがとう。もりさん ありがとう。」と山の奥へ帰って行きまし
た。山の動物たちの間に、「小さな蒸気機関車にのると、まるで
おかあさんに抱かれて優しい子守唄を聴いているようなとって
も いい気持ちになる。」という噂が広まりました。
優しいまついさんともりさんは、動物たちを機関車にのせてあ
げるようになったので、初めにのったくまごうのなまえから、
「くまごろうえき」と、言われるようになったお話でした。
とても優しくてほんわかするお話でした。