別巻の短編集を除けば、コロボックル物語の完結編となる第5巻は、まさにタイトル通りの「小さな国のつづきの話」です。
今から30年以上も前に、小学校の図書館で読んだ時にはまだ4冊しか出ておらず、第5巻があることを知ったのは、私が大人になり、子どもが生まれ、図書館の児童書コーナーで見つけた時でした。
その時の驚き!読んだ後の感動!!
あとがきで作者が述べている通り、四半世紀を超えて私の元に届いた、まさに「続きの話」だったのです。
第4巻から第5巻が発刊されるまで、10年以上の時が流れ、この作品の中に1巻から4巻までの本が実際に登場するという、なんとも不思議な感覚に陥る内容になっています。
この話の主人公は、杉岡正子という女性と、そのトモダチとなるツクシンボの話ですが、「つづきの話」にふさわしく、せいたかさん一家のその後、またコロボックルのトモダチになったあの人も登場します。
個人的には、世話役ヒイラギノヒコの風貌にビックリ!
表紙の髭のコロボックルはてっきりツムジイかと思いきや、カラー挿絵等を見るに、どうやらヒイラギノヒコのよう。
でも、少年だったせいたかさんも、いつの間にか大学生の娘の父親になっているのですから、ヒイラギノヒコも相応に年を重ねていても不思議ではありません。
コロボックルの国も、新しい変化が起こります。
きっと今頃は、世界中を駆け巡っていることでしょう。
いつかどこかで、この素敵な小さな人たちと巡り会うことが出来るかもしれない・・と思わせてくれるお話でした。