2023年の夏は暑かった。
きっと多くの人の記憶に残るほど、2023年の夏は暑かった。
人間も35度を超えるとへばってしまうくらいだから、
もっと地面近くを歩くことになる犬たちにとっても
2023年の夏はこたえたに違いない。
まさに「HOT DOG」。
2023年コルデコット賞とエズラ・ジャック・キーツ賞という絵本の賞をW受賞した
ダグ・サラティの『ホットドッグ』は
暑いニューヨークの街を散歩する一人の女性と犬の物語。
二人(正しくは一人と一匹ですが)は暑くて喧噪の街を逃げ出して
涼やかな海岸へと向かいます。
そこで快適な一日を過ごします。
でも、日が暮れて、やっぱり街に戻らないといけません。
ありがたいことに、夜の街には風が吹いて、昼とは大違い。
そんなうらやましい夏の一日を描いた作品です。
この絵本を読んでみようと思ったきっかけは
訳者の名前にあれっ? と気になったから。
矢野顕子とあります。
矢野顕子さんといえば、1980年代にYMOなんかと一緒に活動をしていた
有名なミュージシャン。
今はこの絵本の舞台となったニューヨークで生活をしているのだとか。
絵本がもっている弾むような生活感と
矢野さんが訳された短い文章がとてもマッチしていて、
犬好きな人はもちろん、
2023年のものすごい暑い夏にうんざりしていた人にも
オススメの絵本です。