中2の子ども用に探してきた本です。
主人公が小学5年生の子どもたちなので、児童書といっていいと思うのですが、表紙の装丁が、どうも大人向けの本のような感じに仕上がっていて、この本が、本屋や児童室に置いてあって、果たして子どもたちが手にするか?と、考えてしまいます。
でも!面白かった。身近な生活の中で、ふっとホントに起きてくれそうな「不思議」が描き出されていて、読んでいて懐かしいような、嬉しいような…素敵な気分を味わうことができました。
だって、発想がすごいんですよ〜。
「団地の中心にある(かもしれない)不思議なボタン」そのボタンを押すと、とんでもないことが起きるらし。
1つ目の噂は、「自分の願いが叶えられる」という噂。
そして、もう1つは、団地の周辺が土の中に沈んで飲込まれてしまう」という噂。
この噂を知った子どもたちが、ボタンの真相を調べながら関わってくるのですが、読んでいて止まらなくなるくらい面白かったです。
こんなに面白いのに、この本は児童文学ではあまりメジャーとはいえない。ということは、作り方、売り方にも問題がある気がします。
主人公たちは小学生ですが、読んだ感触としては、小学生が読むより、小学校時代を経験した中学・高校生あたりの子どもたちが一番共感できそうだな〜と、思いました。
読み手の好き嫌いがあると思いますが、ほんのりファンタジーが好きなお子さん、大人でも楽しめる作品だとお薦めできます。