トルストイの「3びきのくま」しか読んだことがなかったので、
いろんな「3びきのくま」の絵本を読んでみることにしました。
こちらの絵本には、「ロシア民話より」と書かれていますので、
トルストイ原作のものを作者が再話にしたもののようですが、
大まかなストーリーは同じなのですが、お話の出だしから
雰囲気が全く違っていて、正直驚きました。
どうやら本書では、夜の出来事のようです。
鍵もかけずに出掛けていった3びきのクマたち。
留守になったクマのお家へやって来た女の子は、月の子、チュプ。
チュプのとる行動は、お決まりのパターンです。
チュプの話す言葉、クマの話す言葉は、聞いたことのない言葉なのですが、
ちゃんと日本語も併記してあるので、大丈夫です。
場面が夜だからでしょうか、それとも聞き慣れない言葉だからでしょうか、
とっても怪しい雰囲気が漂います。クマも、とっても怖そう!
クマとチュプが顔を合わせるシーンでは、飛び起きたチュプがなんと、
窓からするりと飛び出し、光となって逃げていきます。
逃げた女の子にクマが追いつけない理由が、この本書に限っては理解できました。
巻末の補足を読んだところ、クマやチュプが話していた言葉は、アイヌ語
だったようです。昔からアイヌの人達は、生き物と会話するように
暮らしていたのだとか。クマたちもアイヌ語を話していたかも知れない
という思いから、このような話になったようです。
いろんな「3びきのくま」を読んできましたが、本書が一番神秘的な
ストーリーに仕上がっていたように思います。絵もお話にとても合っていて
良かったと思います。
いろんな「3びきのくま」のお話があるんだな〜と楽しませてもらいました。