著者紹介によると、エルゼ・ヴェンツ−ヴィエトールは、1882年、現ポーランド西部ゾーラウの生まれ。
1901年にミュンヘンの工芸美術学校に入学し、1903年にはじめて本に挿絵をつけて以来、150冊を越す本にたずさわり、1973年没とのこと。
この作品の作成年度は分かりませんでしたが、かなりの古典であることは間違いありません。
それにしても、斬新な作りの絵本です。
最初のページは、
10にんの ちいさな てんしが そらを とんでいました。
すると、すっぽり ゆきに うまった のはらに、
おなかを すかせた どうぶつたちが いるのが みえます。
という文章で、単色の暗い色合いで絵が描かれています。
そのページの上には、一人の天使の頭が飛出しています。
ページをめくると、
1ばんめの てんしが まいおりて、どうぶつたちに たべものを やりました。
とあり、暖色の絵があって、上には、そのてんしが歌う顔が飛出しています。
そんな繰り返しが10あって、最後のページでは、10にんのてんしが歌っているという構図になるのです。
それぞれの文章は、心を落ち着かせてくれるものす。
暖色で描かれた絵は、見る者の心を暖かくしてくれることでしょう。
クリスマスの夜に相応しい作品であり、プレゼントにも最適だと思います。
エルゼ・ヴェンツ−ヴィエトールの作品は、洋書で沢山お目にかかるのですが、邦訳がありません。
絵がとても綺麗なので、邦訳されることを切に期待したいところです。