フェイスFAITH(信じる)という名の石像の女の子と、物言うトラのじゅうたんの語らいで進む物語です。
あるお屋敷の部屋である日「目覚めた」フェイスは、そこに敷いてあるトラのじゅうたんから話しかけられ、自分は何であるかということを探し始めます。トラは、彼女が何であるか、自分は何であるかと言うことを、様々に物語るのですが、そのどれが「真実」なのかは、石像と絨毯という立場上、確証されないままなわけです。でも、トラは「好きなほうを信じればいい」と言います。
フェイスは自分は呪いをかけられて石像になってしまった人間の女の子だったという事を信じ、呪文を解くにはどうすればいいかを問いかけます。その答えは
「いうべきことばを、いうべきときに、いうべき順番で口にする」
おお!!
深読み魂をくすぐる言葉(笑)
世の中でまことしやかに囁かれる「真実」や「常識」は、呪文のようなもので、人によって、うそにもまことにも成りうるのだから、自分が何を信じて何をすべきなのか、時と場所を選ばなくてはならないということだな!と受け取りました。
言い換えれば
「やるべきことを、やるべきときに、やるべき順番でやる」
やるべきことも、言うべきことばも、大体タイミングをはずしてる私には身に沁みます。
こんな深読みはさておいても、フェイスの活力となるトラのじゅうたんの「ほら話」はおもしろいし、それを具現化してる絵の数々も楽しくて、お気に入りの1冊になりました。