ほらふきじゅうたん自信を持っておすすめしたい みんなの声

ほらふきじゅうたん 作・絵:デイヴィッド・ルーカス
訳:なかがわ ちひろ
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:2009年11月
ISBN:9784035325109
評価スコア 4.25
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みんなの声 総数 7
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  • ほら、信じて

    フェイスFAITH(信じる)という名の石像の女の子と、物言うトラのじゅうたんの語らいで進む物語です。
    あるお屋敷の部屋である日「目覚めた」フェイスは、そこに敷いてあるトラのじゅうたんから話しかけられ、自分は何であるかということを探し始めます。トラは、彼女が何であるか、自分は何であるかと言うことを、様々に物語るのですが、そのどれが「真実」なのかは、石像と絨毯という立場上、確証されないままなわけです。でも、トラは「好きなほうを信じればいい」と言います。
    フェイスは自分は呪いをかけられて石像になってしまった人間の女の子だったという事を信じ、呪文を解くにはどうすればいいかを問いかけます。その答えは

    「いうべきことばを、いうべきときに、いうべき順番で口にする」

    おお!!
    深読み魂をくすぐる言葉(笑)
    世の中でまことしやかに囁かれる「真実」や「常識」は、呪文のようなもので、人によって、うそにもまことにも成りうるのだから、自分が何を信じて何をすべきなのか、時と場所を選ばなくてはならないということだな!と受け取りました。
    言い換えれば

    「やるべきことを、やるべきときに、やるべき順番でやる」

    やるべきことも、言うべきことばも、大体タイミングをはずしてる私には身に沁みます。
    こんな深読みはさておいても、フェイスの活力となるトラのじゅうたんの「ほら話」はおもしろいし、それを具現化してる絵の数々も楽しくて、お気に入りの1冊になりました。

    投稿日:2010/01/14

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  • おしゃべりなトラのほら話が面白い!

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    最近すっかり“なかがわちひろ”さんの翻訳されている作品にハマってます。
    少し前までは絵本の翻訳作品しか読んでいませんでしたが、児童書も素敵な作品をたくさん翻訳されているんですよ〜。

    この「ほらふきじゅうたん」も、とっても夢があって、素敵でした!!
    挿絵については「タカハシデザイン室」とありますが、なかがわさんの絵ですよね〜?
    この感想を書く前に皆さんの感想をのぞいてみたら、「はなびや2」さんの感想が、子どもらしくてかわいいな〜と感心しました。
    物語に合わせた本の作りにとてもこだわりがあって、
    いつも同じ状態の部屋の一角にカメラが据え置かれているような作りで、
    主人公のフェイス(石造)やおしゃべりなトラのじゅうたんはいつも同じ位置に描かれているんです!
    その二人以外のスペースにその時トラが語っている出来事やフェイス顔も浮かべたことなどが描かれているので、
    時々、錯覚でフェイスやトラも動いているような気がすることもあります。
    私が好きなところは、トラがフェイスの家族のことを語るところと、
    ベランダにトラが干されている、ちょっと間抜けな雰囲気のするシーンです。

    うちの子は基本、なかがわさんの描くようなかわいくて、細部にこだわりのあるイラストが大好きなので、ふんふん言いながら楽しそうに読んでいました。

    トラの語る「ほら話」も夢やロマンのある不思議な話が短くまとめられていて、その1つ1つの話に夢中になれます。
    全体を通して「絵本」と考えるとやや長め、児童書(童話)と考えるとやや短めの作品ですが、トラのほら話ごとに話に区切りがつくので、休み休み何日か書けて寝物語などで読んであげても、素敵かもしれません。
    読んであげるなら、4,5歳から、ひとり読みなら小学校低学年くらいからいかがでしょうか?

    投稿日:2011/11/06

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  • 信じること!

    • はしのさん
    • 40代
    • パパ
    • 神奈川県
    • 男の子14歳、女の子12歳

    この絵本は、5つの章と、エピローグからなっています。この一つ一つの章が、まるでお芝居の舞台を見るかのように繰り広げられていきます。

    登場人物は、台座にFAITH『信じる』と刻まれた、長いねむりから目ざめた大理石像の女の子と、床にしかれたトラのじゅうたん。
    大きな屋敷の中の年老いた公爵の読書室を舞台に、この二人の会話で物語が進められていきます。

    デイヴィッド・ルーカスといえば、カラフルな絵が頭に浮かんできますが、この『ほらふきじゅうたん』では、象牙色というのでしょうか、白にうっすらと黄色を混ぜた色の紙の上に、モノトーンで絵が描かれています。このように敢えて色をつけなかったことが、読者の想像をくすぐり、このお話の舞台から目が離せなくなります。

    FAITH『信じる』という台座に座っていた女の子が「私は生きてる!」と信じることによって、人間の女の子になったように、私たちが生きていく上でも「信じる」ことから始まるということが多いと思います。私たちが、人間の女の子になれるかどうかは、「信じる」ことにかかっているのです。

    投稿日:2010/03/23

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