日本語版を読んだ後に読んでみました。日本語版で読んだ時に感じた物をより補って
くれた気がします。
日本語版では、かえるとさかなの関係を「とてもなかよし」というサラっとした言葉で
書いてありましたが、原本では、inseparable friends(離れることのできないくらい
仲の良い友達)と書いてあり、この言葉がこの話の大切なキーワードの1つだと思いました。
その離れることが出来ない友達だけに変化がおきて、そして、外の世界に行ってしまう..
これはものすごい衝撃と羨望と孤独をさかなにもたらしたことでしょう。そして、
世の常なのかもしれませんが、置いていかれたものの方が相手を思う気持ちが強く、
かえるが戻ってきた時のさかなの喜びは、はかりしれないものだったことでしょう。
その上、さかなの知らない生き物の話をしてくれるとは、羨ましくて羨ましくて
たまらないことだったでしょう。あいつに出来るのなら、僕にもできるはずと。
その意気込みが、尾っぽを一振りで草地にとびあがった(with mighty whack of
the tail he jumped clear out the water onto the bank)という表現に感じられ
ました。
なんだか、「可愛い子には旅をさせろ」ということわざが頭をよぎりました。
一度、経験をさせてみるのが一番だということでしょうか? 自分の居場所がある
ということ、そして、その居場所が素晴らしいと言うことを再認識させる話だと
思いました。
起承転結がしっかりしていて、笑いを誘う箇所も盛りこめられていて、とても楽しい
作品だと思います。お薦めです。