こぐまのトトは、森の中の秘密の場所に、花畑を作りました。
毎日毎日世話をして、つぼみをつけ、咲き始めた花。
トトや、今度の日曜日のお母さんの誕生日に、この花をぜんぶ束ねて大きな花束にしてプレゼントしようと思っていたのです。
でもね、毎日、花畑に行くたびに、なぜか花が減っているの。もぐらの女の子が、病気のお母さんのために、摘んで帰っていたのです。
結局、1輪だけになってしまった花。悲しくて泣きながらプレゼントした1輪の花に、お母さんはこう言ってくれたのです。「あなたのお花で2人のお母さんが喜んでくれたんですもの。トト、すてきなお花ありがとう。」って。
お母さんの言葉がとってもいいですよね。
最後に残った2輪の花を、もぐらの女の子のために1輪残して帰ったトトのやさしさと、お母さんのやさしい言葉が、とっても温かい気持ちにしてくれました。