ヤマダさんは一人ぼっちで、何もすることがありませんでした。
そんなある日自分のうちに庭があることを発見したヤマダさんは、庭を歩いてみることにします。
すると、池には人魚がいて…?
このヤマダさんという人物が謎そのものです。
天然なのか病的に忘れんぼうなのか、彼に一体何が起こったのかと心配になるくらい、いろんなことを忘れているのです。
池で出会った人魚のルルと庭を散歩するうちに、「そうだったそうだった」と次々思い出していくのですが、その内容というのがどれもすごい!
嵐の海辺で怪獣に襲われていた人魚を助けたり、決闘の相手と待ち合わせていたり、ライオンのトゲを抜いてやったり、岩の下敷きになっていた魔女を助けたり――。
その過去がわかればわかるほど、ヤマダさんという人物がわからなくなってきます。
温厚な顔してるけど、ヤマダさんって実は大物なのかもしれない――そんなふうに思ってしまいました。
とりあえずお話はハッピーエンドで終わるのですが、まだまだヤマダさんの隠された過去がありそうで気になるところです。
お話は絵本サイズですが、ふりがなのない漢字が多いので、お母さんが読み聞かせしてあげることをおすすめします。