現実とつながる不気味な世界。
ひとりの主人公から始まり、次々と茨にしばりつけられているクラスメイトを解放し、夢の世界を共有する仲間を増やしていきます。
夢の世界では、ありのままの自分を出すことができ、自然に打ち解けていく子どもたち。
初めの重々しく緊迫した雰囲気が、仲間が増えるごとに愉快でたくましくなっていく展開が痛快です。「おまけの時間」というネーミングには本当にうれしい気持ちになりました。
小学4年生の息子曰く。
「俺たちのクラスは、男も女もみんな仲いいから、初めから茨みたいな学校にはならないけどね。ていうか、全校生徒ほとんど全員名前知ってるし一緒に遊ぶから、いつもおまけの時間みたいに超楽しいよ。」と、無邪気(無邪気すぎる!?)で幸せな感想でした。
舞台の小学校は1000人規模のようですから、息子の400人弱の学校とはわけが違うのかもしれませんね。でも、確かにこの作品が描かれた時代(まさに私の小学校時代)より、男女間含めて全体が自然に仲の良いの雰囲気になっている気もします。少子化?教育や子育ての流れ?…などなど色々考えてみるのも面白かったです。
仲間が増えていく展開は、同作者の『びりっかすの神さま』と似ていると思いました。上記のように人間関係に悩みがない我が子たちにとっては、仲間の心情にクローズアップしている(また、内容も比較的簡単なので)『びりっかす〜』の方が共感しやすいようでした。