淡々としたお話で、お母さんの生き方にドライさを感じる作品です。
住み慣れた池を後にして、五羽の子どもたちを連れて新しい居場所を探しに出かけた母さんアヒル。
途中で順番に子どもたちは自分の居場所を見つけて居残ります。
子どもの自立というには、お母さんはあっさりと残った子どもたちをつれてさらに、居場所を探し続けます。
一羽ずつ独立していき、最後に自分だけになったお母さんアヒル。
生き方がドライです。
自分がたどり着いたのは海。
一羽で生活して年が過ぎたとき、子どもたちが自分の家族を連れて集まってきました。
物語がここで終われば納得できるのですが、お母さんアヒルは子どもたちを残して、また昔の池に一羽で戻るのです。
今度はほんとに自分だけ。
子どもの数だけ水連の花が咲きました。
この生き方にとても強いお母さん像を感じました。