センダックが故人となった親友のジェームズ・マーシャルのために絵を描き上げて完成させた絵本だということです。
マーシャルへの追想のためか、センダックが細部にまでこだわった作品です。
おなかをすかせて、やつれはてたオオカミさんが街にやってきました。
イヌと間違えられるほど弱弱しく、リスにまでバカにされてしまいます。
そんなオオカミさんが大好物のブタの匂いにつられてたどり着いたのが劇場。
ブタのバレエが公演されるといいます。
劇場に入り込んだオオカミさん。
バレエを観ていて、食い気がバレエ好きに変わっていくところが楽しいですね。
大家さんに嫌味を言われても、バレエに夢を持ったオオカミさん。
ストーリーも楽しいのですが、看板や新聞やあちこちに施された小道具。
後書きの説明を見て、思わず本を読み返しました。
原書も見てみたいですね。
「白鳥の湖」のもじりだと思うのですが、さくまゆみこさんが横文字に添えた日本語訳、新聞記事などにも思いがこもっていると感じました。