きみとぼく(文溪堂)
谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語
もうなかないよ、クリズラ(冨山房)
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世間から隔絶され、貧乏で孤独なマローンおばさん。 老いるということはこういうことなのでしょうか。 招き入れた動物たちが唯一の救い。 愛情を受けた動物たちにみとられてマローンおばさんは天国に旅立ちます。 崇高な詩ではあるけれど、なんだかジーンとしてしまいました。 マローンおばさんは、動物たちに見守られて幸せだったのだろうか。 せめて息を引き取るところにいてくれたことが、救いではあったとは思うけれど。
投稿日:2013/01/08
森のそばで、ひとり貧しく暮らすマローンおばさん。 誰にも気にかけてもらえず、優しくされもしなかったのに、 寒い冬、次々訪れる弱った動物達に居場所を与えてやります。 食べ物も分けてやります。 「あんたの居場所くらい、ここにはあるよ」と。 アリーナ・ファージョンの美しく慈しみ深い詩。 そして見事な日本語訳は、声に出して読みたい独特のリズムです。 マローンおばさんは、自分の全てを動物達にわかちあい、 読むもの、聞くものにも大切なことを分けあたえてくれます。 この本を読み、佐藤初女さんを思いました。 アーディゾーニの多くも少なくもない絵が、 マローンおばさんの心をそのまま表現しているようです。
投稿日:2009/10/14
おはなし会で、ファージョンの詩を聴いて、興味がわきました。 宗教的なところがありますが、それとは関係なく心に響くものがあります。 他の命を自分の命同様に大切にできる優しさ。 すべての命には、居場所=生きる意味があるんだと安心感。 なにか悩んだ時に、そっと開いてみるといいかもしれません。 じわじわと温かさが伝わってきます。
投稿日:2007/10/04
愛って何だと思いますか? 追いかけることが愛? 待つことが愛? 与えることが愛? この絵本を読んだとき、涙が溢れました。 マローンおばさんは身寄りもなく、みすぼらしいおばさん。 それでも、ある日一羽の鳥がマローンおばさんの元へ。 マローンおばさんに何もなくても、そのままの姿で愛される。 愛とはありのままの姿を愛してあげることではないでしょうか。 そして、マローンおばさんが小鳥や、ねずみたちに、食べ物を分け与えることが、マローンおばさんの愛なのです。 私はうつになった時、初めて自分を愛するということを知りました。 自分の弱さ、苦しさを自分自身で愛してあげる。 それは人に対しても同じです。 ありのままの自分で愛されることを、この絵本は教えてくれました。
投稿日:2005/05/30
マローンおばさんは森のそばでひとり寂しく暮らしています。誰一人マローンおばさんの様子を訪ねる人はなく、心にかける人もいません。でも、マローンおばさんは心の大きな持ち主です。月曜日から順に訪ねてくるみすぼらしい動物たちに「あんたの居場所くらいここにはあるよ」と話しかけ、心休まる場所を与えてあげるのです。そして、土曜日の夜……。 英国人児童文学作家・詩人エリナー・ファージョンの詩です。英語で読んでも、日本語で読んでも、最後は涙声になり、子どもの前ではまだまともに読めていない状態が続いています。この美しい詩に出会えたことに心から感謝。後半はキリスト教的ですが、そこに描かれた主題は宗教を越え、普遍的です。黒のペン画がまた詩にぴったり。床で眠るマローンおばさんは動物たちと同じ高さにいますよね、それが忘れられません。冬が来たら開きたい、わたしにとって大切な一冊です。
投稿日:2004/01/06
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