盲目の両親と盲導犬のベルナと一緒に暮らすみきたくんが小学生になりました。そのみきたくんの成長ぶりが描かれているお話です。
前作で、ななえさんはみきたくんに「こころの目」の話をしました。小学生になったみきたくんはそのことを学校で発表したり、家族旅行で両親の目になってまわりのようすを教えてくれたりと、立派に成長している様子が頼もしく、こういうお子さんがいると、周りの子供達もよい影響をうけるだろうなあと思います。
けれど、悲しいことがおこります。ベルナの目が白内障でほとんど見えないというのです。こういう場合、ベルナはリタイアして、ななえさんは別の盲導犬と暮らすのが普通のようですが、みきたくんの「ボクがベルナのめになるよ」の一言で、ベルナはずっとななえさんのもとで生きることになるのです。生まれた時からベルナと一緒だったみきたくんにとって、自然と出て来た言葉だったのでしょうが、ご両親はさぞ嬉しかったのではないでしょうか。
私はもっぱら登場人物やベルナの心の動きに注目して読んでいたのですが、子供達はベルナの日常に興味があったようです。歯磨きをしてもらうこととか、あくびをすることとか、どうも、人間の言うことがほどんどわかるらしいとか。身近に犬がいないので、目新しいことでいっぱいのようでした。
このシリーズを読んでいると、ななえさんやみきたくんにお会いしたくなってきます。