主人公のじょうろさんは、ある家でずっと働いてきました。
掃除の後の水まき、ぽちという犬の水遊び、それから植木鉢のお花に水やり。
そういう風に何年も何年も働いて、みんなに尽くしてきました。
でも、最近少しおかしいのです。
じょうろの底に穴が開いて、水を漏らすようになったのです。
それに気付いたお母さんは、新しいじょうろを買ってきて、じょうろさんが今までやってきたことを新しいじょうろにさせるようになりました。
それからのじょうろさんは、りんごの木の下におかれたまま。
木のはっぱがじょうろの中に次々と入ってきたけれど、そのまま放っておかれました。
そんなある日、ミミズがじょうろさんの中に入って過ごし始めました。
小さな出会いからの大きな幸福。
みんなに優しくしてきたじょうろさんは、やっぱり幸せになれたのです。
柔らかな文章と優しいイラストで、この絵本を読む人たちを穏やかな気持ちにしてくれます。
幼稚園や保育園に通うくらいのお子さんから小学校中学年くらいのお子さんに、喜ばれるのではないかと思います。